温泉で逆に疲れる?その原因と正しいリラックス法【ハイスイ:公式】
癒しのために温泉に行ったはずが、なぜか余計に疲れてしまった、そんな経験をしたことはありませんか?
温泉は本来、心と身体を癒やすリフレッシュの場であるはずですが、入浴後に疲労感を覚える方は意外に多いものです。
今回は、温泉で疲れを感じてしまう理由やその対策、心身にやさしい正しい温泉の入り方について、ご紹介します。
温泉で疲れると感じる方が増えている?
温泉旅行は、日本人にとって定番の癒やしのレジャーです。
しかし「温泉に入ったのに疲れが取れない」「むしろぐったりしてしまった」という声を耳にすることもあります。
本来、温泉には血行促進やリラクゼーションなどの効果があるとされています。
それなのに、なぜ逆効果のような感覚に陥ってしまうのでしょうか。
その背景には、いくつかの要因が関係しています。
まずは、どんなことが疲労感の原因になるのかを見ていきましょう。
原因①長湯による「温泉疲労」
温泉に入ると気持ちよくて、つい長時間浸かってしまう方も多いでしょう。
しかし、これが疲れの元になってしまうことがあるのです。
お湯の温度が高い場合、身体はたくさんのエネルギーを使って体温調整を行います。
また、温泉に含まれる成分が身体に作用し、自律神経を刺激することもあります。
その結果、知らず識らずのうちに体に負担がかかり、入浴後にだるさや眠気、めまいなどを感じることがあるのです。
これが、「温泉疲労」と呼ばれる状態です。
とくに、40度以上の高温のお湯に長時間浸かることは、体へのストレスが大きくなります。
入浴は15分程度を目安に、無理なく楽しむことが大切です。
原因②湯あたり(温泉酔い)
「湯あたり」という言葉をご存じでしょうか。
これは、温泉に入ったあとに頭痛や吐き気、めまいなどの症状が出る現象を指します。
原因は、温泉成分の吸収による自律神経の乱れや、体温の急激な変化、水分不足などが挙げられます。
とくに、硫黄泉や鉄泉など成分の濃い泉質では、身体への刺激が強く、体質によっては湯あたりしやすくなってしまうのです。
また、空腹時や飲酒後に温泉に入るのも湯あたりの原因になります。
事前に食事や水分をとり、体調を整えてから入浴することが、湯あたりの予防につながるでしょう。
無理をせず、自分の体調にあった湯加減や時間を意識することが大切です。
原因③脱水症状と血圧の変動
温泉に入ると汗をかきます。
この汗とともに、気づかないうちに多くの水分が失われているのです。
このときに水分補給を怠ると、軽い脱水症状を起こしやすくなるでしょう。
また、お湯の熱で血管が拡張し、入浴後に急激に血圧が下がることもあります。
このような変化に身体がついていけず、ぼーっとしたりや、疲れたりと感じる原因になるのです。
とくに高齢者の方や高血圧・低血圧の方は、血圧の変動に注意が必要です。
入浴前後にはコップ1杯の水を飲むようにし、脱水や血圧変動を防ぐようにしましょう。
温泉に飲み物を持ち込んでよい場合は、水を持ち込んでおくと水分補給を行いやすくなります。
原因④移動や環境変化による疲労
温泉にたどり着くまでの移動も、意外に体力を使います。
とくに遠方への旅行の場合、長時間の電車や車移動で身体に疲れがたまってしまいます。
また、慣れない旅館の布団や枕、食事内容の変化なども、身体にとってはいつもと違うというストレスになってしまうのです。
温泉そのものの疲労ではなく、環境の変化による疲れが、温泉後のだるさにつながっていることもあります。
温泉旅行のスケジュールには余裕を持ち、ゆったりとした過ごし方を心がけることが、温泉を満喫するコツです。
温泉で疲れないためのポイント
温泉でしっかりリラックスするためには、いくつかのポイントを押さえることが大切です。
お湯の温度は38〜40度程度のぬるめがおすすめです。
高温のお湯は一時的な爽快感はありますが、身体への負担も大きくなります。
次に、入浴時間は10〜15分を目安にし、こまめに休憩を挟むようにしましょう。
入浴前後には水分補給を忘れずに行い、汗で失った水分とミネラルを補ってください。
また、食後すぐの入浴や空腹での入浴、飲酒後の入浴は避け、体調が万全なときに楽しむことが理想です。
連泊する場合は、1日目は軽く湯に浸かる程度にし、2日目以降にゆっくり入るという工夫もおすすめです。
岡山県は温泉地
岡山県の北部には「美作三湯(みまさかさんとう)」と呼ばれる、西日本有数の温泉地があります。
美作三湯は、「湯原(ゆばら)温泉」「奥津(おくつ)温泉」「湯郷(ゆのごう)温泉」で構成されており、温泉旅行の定番の地です。
湯原温泉は豊臣秀吉の時代から湯治の場として知られており、全国露天風呂番付で「西の横綱」と認められた砂湯もあります。
奥津温泉は「美人の湯」や「足踏み洗濯」が有名です。
2023年8月に起こった台風7号の被害を受け、現在は足踏み洗濯を中止しており、観光客や地元住民から再開が望まれています。
湯郷温泉は「鷺(さぎ)の湯」の別名を持つ温泉で、「おもちゃのまち」としても有名な温泉地です。
お子様がいるご家庭でも楽しみやすいと親しまれています。
まだ美作三湯に行ったことがないという方は、ぜひ1度足を運んでみてください。
参考:癒しの岡山三名湯・美作三湯「湯原・奥津・湯郷」┃岡山観光WEB
正しい入り方で温泉の効果を最大限に
温泉は、入り方を間違えると疲れる場所になってしまうことがあります。
しかし、体にやさしい入り方を意識すれば、本来の癒やし効果をしっかり得られます。
無理に長湯をせず、ぬるめのお湯に短時間浸かること、そして入浴後にはしっかりと水分補給をすること。
このような基本を守るだけでも、温泉疲労や湯あたりを予防できるでしょう。
温泉旅行を心から楽しむためにも、ご自分の体調や体質に合わせた入浴を心がけてください。
そして何より、温泉旅行そのものをゆったりと楽しむことが、最高のリフレッシュにつながります。